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焼却灰 固化・不溶化技術の比較

 

項 目

汎用技術

平成貝塚

固化・不溶化処理剤

セメント系

石灰系

主要材料

普通ポルトランドセメント

消石灰・高炉スラグ微粉末・石膏

産業副産物利用度(材料)

低い

高い(高炉スラグ微粉末・石膏)

二酸化炭素排出量(材料)

多い

少ない(高炉スラグ微粉末・石膏)

色合

灰色

白色

均一混合目視確認

困難

容易

混合ムラ

生じやすい

生じにくい

強度発現原理(主)

水硬性

潜在水硬性(ポゾラン活性)

強度発現時間

速い(数時間)

遅い(数日)

最終強度

高強度

中強度(強強度化可能)

不溶化原理(主)

アルカリ沈殿・吸着・固定

アルカリ沈殿・吸着・固定

歴史(建設資材)

新しい(200年以下)

古い(2,000年以上)

長期安定性

まだ分からない(200年以下)

優れている(2,000年以上)

破砕(重機使用)

かなり困難

容易

締め固め(重機使用)

かなり困難

容易

再掘削(重機使用)

かなり困難

容易

pH(水素イオン濃度)

12.5以上(調整不可能)

12以下(調整可能)

アルカリ再溶出リスク(鉛)

やや高い

低い

六価クロム含有量

やや多い

ほとんどゼロ

価格

安い

やや高い

不溶化補助剤

キレート剤(有機)系

リン酸(無機)系

 

潜在水硬性(ポゾラン活性):高炉スラグ微粉末に含まれる可溶性のシリカ(酸化ケイ素)が消石灰(水酸化カルシウム)と反応し、カルシウムシリケート水和物を生成することにより強度が増進します。このような反応をポゾラン反応といい、その材料はポゾラン活性がある、あるいは潜在水硬性があるといいます。天然の火山灰や粘土にも同じような性質があり、高炉スラグ微粉末はその代替資源(人工ポゾラン)として広く利用されています。19世紀の後半にイギリスで普通ポルトランドセメントが発明されるまでは、世界各地で火山灰や粘土に消石灰を混ぜ合わせた建設資材が普及していました。古代ローマの遺跡群(コロッセオ、パンテオン、アッピア街道等)がその代表例ですが、日本の漆喰(しっくい)や三和土(たたき)も同類の建設資材といえます。